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最高裁判所第一小法廷 昭和36年(あ)2447号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人鈴木勇の上告趣意第一点は、違憲をいうが、実質は単なる訴訟法違反の主張であり、同第二点は量刑不当、同第三点は事実誤認、単なる法令違反の主張であり、(本件窃盗の訴因と、横領の訴因とは、公訴事実の同一性を有するものと認められる。また、本件審理の経過に徴すれば、原審が、検察官の予備的訴因の追加請求を容れ、これにもとづき、第一審判決の窃盗の認定を変更して横領と認定したことにつき、被告人の防御に実質的な不利益を生ぜしめた点は、何ら認められない。)被告人本人の上告趣意は、事実誤認、単なる訴訟法違反の主張であって、いずれも、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

よって、同四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 下飯坂潤夫 裁判官 高木常七)

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